taiseidrug
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○ハタケシメジ
ホンシメジと同じキシメジ科のキノコで、学名はLyophyllum decastes。夏から秋にかけて林、草地、道端などに生える。傘は径4~9cmで、ほとんど平らに開く。傘の表面は灰褐色、裏側は灰白色で細かいヒダがある。柄は5~8cm。株の根本は菌子束となって伸びる。北半球の温帯に分布している。 味は天下一品とされるホンシメジと同様、風味が優れているため、様々な方法で人工栽培が試みられたが成功しなかった。しかし、王子製紙森林資源研究所が人工栽培技術を確立して大量生産に成功、機能性が期待される健康食品の一員にも加わることになった。ホンシメジはマツタケのように土中に生きた根に共生する菌根菌であるのに対し、同属でありながらハタケシメジは土中に埋もれて腐朽の進んだ木片に繁殖する腐生菌としての性質を持っていたことが、人工栽培の成功につながったといわれている。 他の多くのキノコ類に抗ガン作用が見出されていることを受けて、ハタケシメジの機能性研究もその抗ガン活性の検証から着手され、1998年の日本癌学会総会においてその効果に関する学会発表がなされた。「ハタケシメジに含まれる抗腫瘍活性多糖の分離・精製とその構造」(三重大学医学部薬理学教室・伊藤均、同大生物資源学部・久松眞、永昌源総合研究所・卯川裕一)である。キノコの抗ガン作用研究にとって画期的なこの学会発表は、伊藤によるハタケシメジの実験を基礎としたものであった。その実験はハタケシメジの熱水抽出画分(F-1)と、それをアルコール沈殿させた画分(F-2)の2つを調整し、それぞれ0.5%、0.1%に希釈して、0.3mlを15週齢の雌マウスに腹腔内投与、2時間経過後に腹腔浸出細胞(主にマクロファージ)を採取してC3抗原を定量するというものであった。その結果、C3抗原(抗原抗体反応によって活性化される血清タンパク酵素系の溶血・溶菌反応に必須の物質)が最高15倍にも上昇することが観察された。この現象はマクロファージが強く活性化されたことを意味する。 次いでザルコーマ180固形ガンを5週齢の雌マウス12匹(6匹2群)に移植、その内の1群にハタケシメジの熱水抽出画分(10mg/kg)を10日間連続して投与(注射)した。その結果、対照群(6匹)は全て罹患し、その内の3匹は35日目までに死んだが、投与群(6匹)は100%全て健全であった。 その後行われた実験では、上記F-2画分をイオン交換クロマト法、ゲル濾過法で8種類の画分に精製し、ザルコーマ180固形ガンを移植した5週齢の雌マウスに、腹腔内投与(注射)及び胃ゾンデによる経口投与を行なった。その結果、移植4週後の生存率は精製した2画分で100%、ガン完全消失率も90%という好結果を見たのである。また、経口投与でも46%と高い腫瘍抑制率を示した。同研究グループは、第58回日本癌学会総会でも「ハタケシメジ由来の精製多糖の抗腫瘍効果とその作用機序」を発表している。 PR ○AHCC AHCCは、一口にいえばキノコに由来する機能性物質ということになる。高度なバイオ技術によって培養された複数のキノコ(坦子菌類)の菌糸体から抽出されたもので、1981年に北海道に本社を置くアミノアップ化学によって開発された。キノコらしくないAHCCというネーミングは「A=Active(活性化された)HC=Hemi-Cellulose(ヘミセルロース)C=Compound(調合する、集合体)」という意味が織り込まれている。 菌糸体抽出物質であるAHCCは、当初からその抗腫瘍活性に期待が寄せられたが、それは開発当時すでに、カワラタケというキノコの培養菌糸体から得たクレスチンが制ガン剤としての医薬品の認可を受けて市販されており(1977年)、シイタケの子実体から得たレンチナン、スエヒロタケの液内培養生産物から得られるシゾフィランが、ともに抗ガン剤として医薬品の認可を受ける前夜であったからである。 しかし期待の中で生まれたAHCCの大きな可能性が、わが国でしっかり認識されるチャンスを作ったのは、アメリカの免疫学者で臨床医でもあるマンドー・ゴーナムである。ゴーナムは自ら末期ガン患者(多発性骨髄腫、頚部ガン、乳ガンなど)13人に対してAHCCを用い、全員が治癒もしくは軽快したという3年間の治験を、1993年10月に東京で発表し、医師や研究者に驚きを持って迎えられたのである。以後、各地の医療現場でも積極的に研究されるようになった。 キノコの抗腫瘍活性のほとんどは、含まれている多糖類(β-D-グルカン)に由来しており、その分子構造のわずかな違い、あるいはそこに一定のタンパク質が化合しているか否かによって、活性の差が生ずることがわかっている。AHCCが見せる強い抗腫瘍活性も、活性ヘミセルロースやβ(1-3)D-グルカンといった多糖体と、単離できない生体機能調節物質とが、相乗的に効能を発揮するのであろうと推察されている。 このような抗ガン性に止まらず、B型及びC型のウイルス性慢性肝炎、糖尿病、慢性関節リウマチ、自律神経失調症など、治療の難しい疾患に用いて有効性があったとする報告も多い。このような難治性の病気が改善したとき、理由は未解明でも明らかにその健康回復に寄与した物質を医学的にアダプトゲンというが、AHCCはまさにその名にふさわしいものといえよう。 |
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