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taiseidrug
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ハナビラタケ

 ハナビラタケ(花弁茸)はハナビラタケ科の食用のキノコで、世界に1科1属2種だけが、夏から秋口にかけて関東以北の山間部で針葉樹の根元や切り株に生える。英語名カリフラワー・マッシュルームからもわかるように、葉牡丹のように縮れた花びら状の子実体は、1株の直径が20~40cm、高さ10~30cmにも達するが、絶対数が少なく、しかも人工栽培が非常に困難であることが、健康食品界への登場を遅らせる原因となった。この困難な人工栽培を成功させたのは福島隆一(埼玉県立熊谷農業高校教諭)であるが、この成功によって供給されるようになった試料を用いての生理活性研究が学界にデビューを飾ったのは、1999年3月に徳島市で開催された日本薬学会第119年会である。ポスター発表で、東京薬科大学第一微生物学教室の宿前利郎、大野尚仁らによるハナビラタケ由来のβ-グルカンの構造と活性であった。

 同研究によれば、ハナビラタケのβ(1→3)D-グルカンは43.6g/100g(酵素法による)にも達し、この数字はどんなキノコよりも圧倒的な多さである。

 また、抗ガン活性の実験は、1群10匹、合計130匹のマウスに固型ガン細胞ザルコーマ180を鼠蹊部に皮下注射で移植して行われた。子実体の熱水抽出(4倍画分、1倍画分)、冷アルカリ抽出、熱アルカリ抽出の濃度の異なる試料(500、100、20ug)を7日目、9日目、11日目の3回、腹腔内に注射で投与し、5週間経過後のガン細胞抑制率を調べたものである。結果は2群(熱水抽出画分の100、20ug投与)を除く全てにおいて著しい抗ガン効果を示し、特に熱アルカリ抽出画分100ug投与では、100%のガン退縮を見た。

 引き続いて、注射ではなく、経口投与による抗ガン効果を検討する実験が同研究グループによって行われ、熱水抽出試料を連日50、100、200ug経口投与することによって、抹消血管内の白血球数が未投与グループに比して1.5~2倍にも増えたことが確認されている。

 ハナビラタケの抗腫瘍効果については、最近、臨床治験報告も出されている。移入免疫療法の第一人者として知られる吉田憲史(ヨシダクリニック東京総院長)によると、大腸ガンが肺に転移して一時は余命6ヶ月と診断された59歳の女性で、移入免疫療法によりガンの進行は抑えられていたが、その後両側の頚部リンパ節転移が認められ、腫瘍マーカーCEAも37.5へ上昇した。そこでハナビラタケ1T(100mg)を1日3錠ずつ内服して経過を見たところ、1ヵ月後には頚部リンパ節転移が右側1個となり、2ヵ月後には消滅し、CEAも254へ下降した。免疫力を表すNK細胞活性も当初の17%から40%まで回復。それ以降、ハナビラタケを内服しながら月1回の治療を続けた結果、ガンの進行は認められなかったという。吉田の報告によれば、慰留免疫療法とハナビラタケを組み合わせる治療法は、手術や抗ガン剤によって低下した免疫力を飛躍的に活性化させ、体内ワクチン作用を起こし、ガンと闘う力をよみがえさせる効果があるとしている。
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樟芝(ベニクスノキタケ)

 樟子はクスノキ科の牛樟という樹木の空洞部に寄生するキノコで、学名はAntrodia camphorata。世界で台湾だけに生息しており、日本ではベニクスノキタケと呼ばれている。快い香りと辛苦い味をもつ樟芝は、地元台湾では古くから薬用キノコとして使われており、多くの効用が知られている。

 邱年永(中国医薬学院)によると、樟芝は循環系統の活性化、血液循環の促進、体を温め消化を助ける、解毒・むくみの解消、鎮静・抗菌・抗毒作用、抗腫瘍作用効果などがあり、肝硬変・肝ガン・リューマチ・胃痛・下痢・嘔吐・食中毒・糖尿病・尿毒症・インフルエンザのほか、船酔いなど乗り物酔いの治療にも用いられている。

 樟芝は特異的な生長と生息条件から、天然物を採集できるのは稀である。近年、樟芝が寄生する台湾特有のクスノキ(牛樟樹)が天然記念物とされ伐採禁止になったことから、天然物を入手することがさらに困難となり、台湾でも貴重な存在として森の中の赤いダイヤモンド、台湾の至宝などとも呼ばれている。子実体の人工栽培も長年試みられていたが、樟芝本来の成分が含まれず、栽培による大量生産は難しいとされてきた。しかし、2002年に台湾の偉翔生枝開発股份有限公司(ウェルシャイン・バイオテクノロジー・ディベロップメント社)が子実体の人工栽培に成功、樟芝の特異的な成分であるトリテルペノイドの含有量も野生の樟芝と遜色がないことが確認され、大きな注目を集めた、台湾ではまた、大手製薬会社(葡萄王生枝)が樟芝の菌糸体培養に着目し、生産技術の確立に成功している。いずれも健康食品素材として製品化されている。

 これまでの薬理研究で、樟芝からは各種有効成分が見つかっている。免疫賦活作用に効果があるとされるβ-グルカンをはじめとする各種多糖類のほか、苦味成分のトリテルペン類、γ-アミノ酪酸、環状ジペプチドのダイケトピペラジン、睡眠作用があるとされるアルカマイデス、血管新生を抑えてガン細胞のアポトーシスを誘導させる働きがあるエルゴステロールなど、さまざまな物質である。

 台湾では数多くの大学や研究機関で樟芝の健康機能研究、及び安全性試験が行なわれており、研究発表も多いが、最近では日本の大学などでも研究が開始された。遺伝子栄養学研究所の松永政司らの研究によると、樟芝には肝臓疾患を改善する働きがあることが明らかにされている。その理由として、樟芝には多糖類だけでなくトリテルペン類が多く含まれており、この成分が肝炎や肝硬変の改善に有効だとしている。また、肝ガン細胞を使った試験でも良好な結果が得られている。肝ガン細胞(H22)を移植したマウスに樟芝菌糸体を経口投与したところ、NK細胞を含む免疫能が上昇し、ガン細胞の増殖が抑制された。また、人の悪性リンパ腫細胞であるU937株の培養液に樟芝菌糸体を加えて生細胞数を観察した結果、U937細胞の増殖が抑えられることも確認している。

 富山医科薬科大学の服部征雄も、樟芝が劇症肝炎の治療に効果のあることを報告している。実験では劇症肝炎を発症させたマウスに樟芝菌糸体エキスを投与し、18時間後の生存率を調べた。投与しなかったマウスの生存率が30%だったのに対し、体重1kg当たり50mgを投与したマウスでは40%、200mgでは60%に上昇し、樟芝が劇症肝炎に効果のあることが確認されたという。また、樟芝の成分分析では肝臓保護作用とともにガン細胞の増殖を抑えるコハク酸関連化合物とマレイン酸関連化合物が見つかっており、ガン治療にも有効であるとしている。
舞茸(マイタケ)

 その昔、山中で発見した人が喜んで舞い踊ったことから舞茸の名を与えられたといわれるマイタケは、人工栽培技術も確立して食材としての認知度はつとに高いが、近年は薬用キノコとして日本のサプリメント市場に歓迎されている。

 同じサルノコシカケ科に属する霊芝やカラワタケと同時に行われた子実体由来のβ(1-3)-D-グルカンによるマウスの抗腫瘍活性試験で、非常に高い腫瘍完全退縮率を得た報告もなされていたが、その後、難波宏彰(神戸薬科大学)らはMD-フラクションと名づけた精製ペプチドグルカン(タンパク多糖複合体)を用い、ザルコーマ180担ガンマウスに対して腫瘍増殖抑制率86.6%という好結果を得、それがT細胞など免疫細胞の活性化によることを突き止めた。乳ガン、肝ガンなどの快癒や改善に関する、医療現場からの報告も続いている。

 同じく難波らの研究による後天性免疫不全症候群(エイズ)への活用研究は米国で注目され、多くの医師や研究者による臨床研究も報告され、マイタケの評価を高めることとなった。また、作用気序の全体は明らかではないが、血圧降下作用、血糖抑制作用、高コレステロール血症の改善、抗アレルギー作用、便秘の改善、ダイエット効果などの実例報告も多い。
シイタケ菌糸体

 キノコは、発芽した胞子から菌糸が伸び、地中や原木中で増殖して菌糸体となる。温度や湿度などの条件が揃うと菌糸体が集合した子実体と呼ばれるキノコを発生させ、胞子を形成して残す。つまり食用にする子実体の部分は、キノコ類が子孫を残すために胞子に作る生殖体、すなわち”菌糸が高度に集合したもの”である。言い換えれば、菌糸体こそ子実体を発生させる力を持つキノコの正体であり、キノコの有効性の基はここに内在しているということが考えられる。

 この菌糸体が内包する強靭な生命力を利用する目的で「シイタケ菌糸体培養抽出技術」が開発された。培養基はバガス(サトウキビを搾った残りの繊維質)に米糠を混合し水分調整されることで作られる。それを高圧蒸気滅菌した上で、雑菌の進入を防ぎながら厳選された特定の種菌を摂取して培養。やがて白色糸状の菌糸が培地全体に蔓延した段階で低温ショックを与えたあと、倍地を解束し抽出タンクに投入、加水・加温する。酵素を添加して攪拌・擂潰することで有効成分が代謝産物と共に抽出されてくるというのが、その製法の概略である。

 この抽出物「シイタケ菌糸体培養抽出物(L.E.M)」であり、多糖タンパク質、β-D-グルカン、エリタデニン、リグニンなどが含まれ、子実体の成分とは異なる。この培養抽出物を用いた健康食品の免疫調節作用、抗腫瘍作用、抗ウイルス作用などを中心とする多くの機能が、大学や製薬会社、民間研究機関などによって明らかにされてきた。抗ガン作用については、乳ガン自然発症とランスジェマニックマウスにL.E.Mを4週間投与して延命効果及び腫瘍組織の病理学検討を行った研究で、無処置群に比べて平均2週間の延命効果を示した。さらに腫瘍組織の病理検査を行ったところL.E.M投与群では腫瘍細胞にγδT細胞を中心としたリンパ球の顕著な浸潤が認められ、一部腫瘍の壊死像も観察された(佐賀生活習慣病対策研究会、1999年)。オーストラリアで行われた第17回国際栄養学会(2001年)で発表された動脈硬化に対する研究は、病変占有面積がL.E.Mを8週間与えた群は対照群48.7±15.3に比べて、26.2±10.8と優位に改善され、動脈硬化指数も対照群16.96±9.2に対し6.62±4.31と優位に改善されており、その動脈硬化に対する予防・改善効果は注目を浴びた。

 また、肝細胞ガンのハイリスクグループとされるC型ないしB型肝炎に対する効果も臨床的に確認されており、ウイルスの減少等が報告されている。そのほかにも、チロシナーゼ活性阻害作用による美白効果があり、すでに粧源基として認められていることから健康食品分野のみにとどまらず、化粧品原料としても今後更なる展開が期待される。
アガリクス

 今でこそアガリクスという名称が一般的になっているが、日本では姫マツタケとして世に出ており、抗ガン効果に優れた薬用キノコとして早くから地歩を固めてきた。特に日本癌学会総会などで発表された一連の研究成果のほとんどは姫マツタケによるものである。

 姫マツタケ(学名=アガリクス・ブラゼイ・ムリル)は、担子菌類ハラタケ化に属するキノコで、カワリハラタケの別名もあるが、学名に即して最近はアガリクス・ブラゼイとも呼ばれている。わが国への招来は、ブラジル在住の古本隆寿が岩出菌学研究所に送った1965年が最初である。同研究所ではそれ以来、食品化や薬効への期待をこめて研究を続け、ほぼ10年後に人工栽培法を開発、活性の高い菌株の作出にも成功し、その薬効成分や機能性に関する研究成果が広く発表されるようになった。その過程で確定した和名姫マツタケの名は、姿と形がマツタケに似ていることに由来する。

 姫マツタケの含有成分を乾物で見ると、他のキノコに比べて粗タンパク質(各種アミノ酸を含む)が43%と多く、粗脂肪はほぼ4%と平均的である。ビタミン・ミネラル類も比較的多く含まれ、中でもビタミンB2やD、マグネシウムやカリウムなどが多いといった特徴があるが、現在は食用としてではなく専ら食薬キノコ、機能性食品として広く用いられている。

 姫マツタケへの強い関心を集める契機となって歴史的な学術発表は、1980年の抗腫瘍多糖体によるC3とマクロファージの関連について(第53回日本細菌学会総会)及びその翌年のアガリクス抽出マンナン画分の抗腫瘍性と生物活性(第53回日本薬理学会総会)である。以後、姫マツタケの抗ガン作用について精力的に動物実験を行い、その成果を多くの学会や学会誌、専門誌に発表するとともに、固形ガンのみならず腹水ガン、化学発ガンに対しても優れた制ガン作用を示すことを日本癌学会でも数次にわたり報告、そられ先端的研究を通じて薬用キノコへの一般の評価も高めてきた。

 姫マツタケの制ガン物質の中心は①子実体から精製した多糖であるが、ほかに、②培養した菌糸体から抽出したタンパク多糖、③菌糸の培養濾液から採取した多糖、という3種類のものが用いられるようになってきており、ザルコーマ180固形ガン移植マウスによる近年の実験では①を10mg/kg投与で腫瘍抑制率100%、②を20mg/kg投与で同98.2%、③を20mg/kg投与で同99.3%(いずれも10日連続投与)というように、いずれも非常に高い制ガン作用を示すことが判明している。

 これまでの研究によって、抗ガン作用に止まらず、脱コレステロール作用、四塩化炭素誘発肝障害抑制作用、血清脂質低下作用、インターフェロン誘発作用なども明らかにされてきているが、中国では王軍志、蘭州医学院の王鏡らによるガン患者への臨床応用も行われ、その有効性が裏付けられる段階を向かえている。


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